2019-04

Bhutan

ブータン タクツァンにて

鎖国されていたブータンではガイドを兼ねた監視と行動を共にしなければならなかった。 ガイドと一緒に山道を歩いた。 深い谷を隔てた向いの崖にタクツァン寺がへばりついている。 私たちは頂上近くまで登り、そこにあったお堂に入った。 このお堂に祀られ...
Tibet

チベット ラサにて 2

十一月のラサは寒かった。 私は一ヶ月以上滞在していたので相部屋の値段で個室に泊めてもらっていた。 部屋はベッドのスペースをベニヤ板で区切ってあるだけだったが、瞑想するには個室であるだけありがたかった。 夜になると建て付けのわるい窓のすきまか...
Tibet

チベット カンリトゥカルにて

私は、法友と旅人と共に3人でバスを降りた。 ここは非解放地区なので公安に捕まると面倒だ。 私たちは早足で車道から離れ、岩石の転がる道を急いだ。 空気が薄いので、とても走ることはできない。 早歩きだけで、ぜいぜい、と息が切れる。 歩いても歩い...
Tibet

チベット ラサにて 1

ラサは、チベット語で「神の地」という意味である。 この国の首都であり聖地である。人々は何ヶ月もかけてチベット中から巡礼にくる。 荒れた道を、尺取り虫の如く五体投地を繰り返しながらやってくる人たちもいる。 大昭寺の前に人だかりができていた。 ...
Sri Lanka

スリランカ ポロンナルワにて

ポロンナルワという小さな村で、トゥクトゥクの運転手に「サファリに行かないか」と誘われた。 スリランカのサファリは、日本のサファリパークとはちがい、本当に野生の動物たちが見られる。 行ってもよかったが、私には金銭的余裕がなかった。サファリに行...
Sri Lanka

スリランカ スリーパーダへ

お茶の新芽が、こんもりとした丘を鮮やかな色で覆っていた。 なだらかな稜線をやさしく撫でるように、おもちゃのような汽車に揺られてゆく。 列車は窓もドアも開けっ放しだった。若者たちが戸から外にぶら下がり、はしゃいでいる。 向かい合った席の男の子...
Sri Lanka

スリランカ ダンブッラへ

私は、ダンブッラ行きのハイウェイバスに乗っていた。 ハイウェイバスとは名ばかりで、12人が乗り込んだ8人乗りのバンは公道ばかり走っていた。 スリランカにはハイウェイ(高速道路)が無いので、おかしいとは思っていたのだ。 ハイウェイバスは、公道...
Nepal

ネパール ポカラからカトマンドゥへ

眼下には、雪をかぶったヒマラヤの山々がそびえていた。 雨期のポカラは灰色の雲に覆われ、ヒマラヤの山々が姿を見せてくれることはなかったが、雲の上に行けば、雨期だろうと関係なかった。 太古の昔から雪を被り続けている山々が、犯しがたい崇高さをもっ...
Nepal

ネパール ポカラへ

山々に囲まれた谷間の斜面に削り出された道路上で、バスは長い間、停まったままだった。 車内ではイスラエル人たちが、いつ走り出すのかと騒ぎ続けている。 一時間ほど待たされた後、乗客は全員、降ろされた。 預けていた自分の荷物を渡され、「歩け」とだ...
Nepal

ネパール ダクシンカリにて

その日は、谷底に祀られている女神に、生け贄が捧げられる日だった。 神の前にいる聖職者は、実に手際よく、生け贄をさばいていく。 施主から鶏を受け取ると同時に、頭をひねり首をねじ切る。頭を祠の上に投げ置き、胴体から噴き出す血を神像にかける。 胴...