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インド ヴァラナシにて 5

数ヶ月かけて南インドとスリランカを一周した後、私は再びヴァラナシへ戻ってきた。 牛と人とゴミだらけの町。 ところどころ牛糞が放置されている路地を宿へ向かう。 宿のオヤジは私の顔を見ると目を見開いて見せた。「元気?ネパールはどうだった?」 今...
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インド エローラにて

自らの豊満な胸をわしづかみにする恍惚の女神。 胸と、両手と、顔が崩れ落ちた彫像を前に私はそのような女神をみた。 カイラーサナータ寺院の入り口に浮き彫りにされたその女神は、この黒い寺院の思想を強く訴えている。 女神は蓮の花の上で蓮華座を組んで...
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インド クイロンにて

南インドを流れる水路を、船はゆっくりと進んでいく。 ところどころには木々が途切れた場所があり、民家や学校があった。 船を見ると、子供たちは手を振った。「ワーオ!」 近くにいたアメリカ人のヒッピーが大袈裟に感動してみせた。 おだやかな、やさし...
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インド バルカラにて

水平線が視界いっぱいに伸びていた。 断崖絶壁の上から見渡す海は、どこまでも碧かった。 私は崖の上を北へ歩いていた。 店や屋台がなくなり、ヤシが林立する斜面を降りてゆく。 遠くから、男たちのかけ声が聞こえる。 ヤシ林の向こうに、白い砂浜が見え...
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インド カーニャクマリにて

真っ黒で、ごてごてした体にぎょろりとした白目。南インドの寺院に祀られた神像の中で印象に残った神は、ほとんどが真っ黒だった。 インドの宗教画に描かれる写実的な神々とはまったく違う、限りなく抽象的で原始的な神々。 像によっては真っ赤な舌を出した...
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インド ポンディシュリーにて 2

インドが植民地だった昔、ポルトガル人が造った街、ポンディシュリー。 この街はインドらしくなかった。 街の中心に公園があって、そこから放射状に道路が延びている。円形の道に囲まれた円形の街だ 私は一旦、円の中に入り、中心へと向かった。 そして、...
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インド ポンディシュリーにて 1

ごつごつした大きな岩に波の塊が激しく砕け散った。岩はビクともしないが、波は繰り返しぶつかっていく。 飛び散る波しぶきが、時折コーヒーカップの中にまで飛んでくる。 カフェは、大きな黒い岩がごろごろと転がる波打ち際に一軒だけ、ぽつんと建っていた...
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インド マハーバリプラムにて 2

海岸寺院のすぐ横の地面に彫られたヨーニ(女神の女陰)を覗いた瞬間、この小さな寺院が巨大な隠喩の集合体に違いないと直感された。 ヨーニの直径は一メートル半位、深さは八十センチ位ある。 この内側にさらに小さなヨーニとリンガ(シヴァ神としての男根...
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インド マハーバリプラムにて 1

私は南インドを放浪している間、たびたび人気のない砂浜で瞑想した。 波の音は不規則なので海辺は瞑想に向かないと言う人がいるが、しばらく座っていれば波の音などまったく気にならなくなる。 むしろ、日本の行者は役行者や弘法大師の昔から、渓流や海岸の...
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インド カルカッタにて 2

カルカッタの博物館は、死と退廃に満ちていた。 大量の虫の標本は、劣悪な保存状態のため変色し、薄い羽が破れ落ちたりしている。標本と言うよりも、ガラスケースに虫の死骸を並べたといったほうがふさわしい。 インドでは、日本よりも命が格段に軽く扱われ...